2011年6月29日水曜日

本当は預金者がリスクを負っている

銀行に預金しても0.001%程度しか利息が付きません。
一方、そのお金で銀行は日本国債を買います。0.5%の利回りでもそのほとんどは利ざやとなります。
しかも、銀行はまったくリスクを負っていないのです。
将来、財政破綻などでハイパーインフレになって、ガソリン1リッターが1万円になったとしましょう。
そのとき、銀行はガソリンを1リッターしか入れられなくなった1万円を預金者に「元本保証」すればいいのですからまったくリスクがないのです。
そうです、預金者がリスクを負って、銀行が利ざやと言うリターンを得ているのです。
銀行はノーリスク確実リターン。預金者は確実リスクノーリターン。
これが本質です。
こんなことなら、預金などせずに直接国債を買うほうがよっぽどマシなのです。

プライベートバンクやラップ口座の一任勘定サービスはなぜ敷居が高いのか

日本の銀行や証券会社がやっている一任勘定運用サービスは個人個人の名義でファンドを買い付けることになります。
だから大口顧客にしかこんなサービスは提供できません。最低でも数千万円からとなるのは必然です。
一方、英国系保険会社などの年金プランの場合は、保険会社名義でファンドを売買する仕組みになっています。
ですから小口顧客にも対応ができるのです。
なぜ、この方法を日本の金融機関はやらないのかって?
金融機関名でファンドを売買したら、スイッチングするたびに利益の40%を法人税等でとられますがな。
個人なら今はキャピタルゲイン課税は10%。だから個人名でファンド売買のほうが目減りが防げるのです。
英国系保険会社はマン島や香港というオフショアにあるから保険会社名でファンドを売買しとけばスイッチングで利益に課税されずに全額を新たなファンドに再投資できるのです。
オフショアだから小口顧客への一任勘定運用サービスができるのです。

2011年6月1日水曜日

国民の資産を脅かす日本特有の問題点④-4

保険は万が一のための保障を用意するものなので、本来は掛け捨てであるものなのです。
それを掛け捨てがもったいないと思う日本人の心に上手く付け込んで、貯蓄性の保険というものがたくさん売られました。
満期までに死亡した場合は遺族に死亡保険金が、満期まで生きていた場合は満期金が受け取れるのが養老保険という貯蓄性の保険。学資保険もこの養老保険の一種です。
死んだら保険金が出るが生き残ると保険料がパーになるという掛け捨ての定期保険に比べて、死んでも生きてもお金がもらえると言うのはなんだか物凄く得に思えますよね。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?
貯蓄性の保険は、保障+貯蓄なので保険料が非常に高い。一方、掛け捨ての定期保険は保障だけなので比較的保険料が安い。よって貯蓄はたとえば銀行預金などで別に行えます。
保険は保障だけの掛け捨てにして、貯蓄は保険以外で行った場合、死亡時には遺族に死亡保険金とさらに貯蓄も残せます。また、現金必要時にはいつでも貯蓄は取り崩せますね。
一方、保障と貯蓄を一体化した貯蓄性の保険で積み立てていた場合は、死亡時には死亡保険金しか遺族に残せません。また、現金必要時に取り崩しは一切できず、わざわざ保険会社に利息を支払って契約者貸付を受けなければならないのです。
どうですか、保険は保障だけにして貯蓄は預金などにしたほうが本当は遥かに得なのです。
終身保険、養老保険、学資保険などの貯蓄性の保険は、これまた保険会社のための保険だったと言える訳です。
さらに、貯蓄性の保険で毎月積み立てるというのは実質的には毎月国にお金を貸してることになるのですが、これについてはまた次回。