2012年4月4日水曜日

保険会社の商品②

保険会社の運用商品は証券会社の商品とは根本が異なります。
証券会社でファンド(投資信託)を一括で買い付けたり積み立てる場合は、証券会社を通して契約者名義でファンドを購入することとなります。

一方、保険会社の場合は加入者(契約者)は保険会社にお金を預けて保険会社がその資金を国債やファンドなどに投資して運用します。
国債に投資する場合が定額個人年金保険で、ファンドで運用する場合が変額個人年金保険です。
いずれも契約者(加入者)の名義で国債やファンドを購入することはありません。

今流行りの欧州保険会社の年金プランを「ファンドラップ」や「ファンドオブファンズ」などと呼んでいる方がいますが、これはとんでもない間違いです。
ファンドオブファンズは契約者名義で買い付けたファンドから複数の子ファンドに分散投資される仕組みです。
保険会社の運用商品は、そもそも契約者の名義でファンドを買い付けることはないのですからこれは一つ目のボタンを掛け間違っているということです。

欧州保険会社の年金プランは、加入者が保険会社にお金を預けて保険会社がファンドで運用するという変額年金です。
一括投資の商品は一時払い変額年金という訳です。

保険機能がついているものは変額年金保険に、ないものは変額年金ということになります。
いずれのプランも保険会社の商品のしくみには変わりがなく、証券会社の商品とは根本が異なるのです。

保険会社の商品を証券畑の商品のように論じて、証券畑の法律でこれを規制しようという動きがあるようですが、根本的に保険会社の商品は仕組みがまったく違うのですから無理があるのではないかと考えられます。

保険会社の商品

保険会社の販売している商品には同じ特徴があります。
この特徴は商品によりません。死亡保障や医療保障のような保障商品でも終身保険や養老保険のような貯蓄性の保険でも個人年金でも同じです。
また、保険会社にもよりません。日本の保険会社でも外資系でも海外でも同じです。

それは、当初の保険料の多くの部分が売る側のコミッションに回るということです。
加入者が支払う保険料は保障や貯蓄に回る純保険料と、保険会社の事業費に回る付加保険料の合計で決められています。
この事業費(ほとんどが代理店や募集人のコミッション)に特に一年目の掛け金(保険料)の多くが回されるのです。

誤解していただきたくないので申し上げますが、だから保険会社の売っている商品が悪い訳ではないのです。
世界中の保険会社の商品は同じ特徴があり、売る側の熱心な理由を理解しておくことが大切なのです。

人海戦術で展開するには売る側に多大な収益がないと経費倒れとなります。
ですから、保険会社の商品が売る側に高収益なのは悪いことではないのです。
そうでないと、加入者が商品情報を知ることが出来ないからです。

世の中には買う側には大変いい商品なのだが、売る側にメリットがないから普及していないものやサービスもあるのですから。