2014年10月10日金曜日

投資詐欺は、純粋な客(投資家)も加害者になることがある

 みずほ銀行、すごい話題ですね。

元世界王者の薬師寺さんも億以上の被害。


実は私、この話、4年ほど前に勧誘を受けていました。
報道と同じように、本店応接室で。

まだ、立件に至ってないので雑誌などではみずほ銀行行員Oとされていますが、一歩踏み込んでここではO川氏にしておきます。


A女史の紹介でみずほ銀行の本店にのこのことと出て行ったのですが、その時、O川氏から受けたのは大体次のような説明だったと思います。

『自分はみずほ銀行の特命社員だ。(お前は特命係長只野仁か?)
みずほ銀行の表に出せないような案件を一手に引き受けている。
老舗出版社に不祥事があったことをきっかけとして、みずほ銀行が株式をすべて取得した。
それを創業者が買い戻したがっている。
その買い戻し資金を表立ってみずほ銀行が融資するわけにはいかない。
しかしながら、株式を創業者が取得してしまえば、その取得して保有となった分についてはそれを担保にみずほ銀行が正式に融資が出来る。

ですから、みずほ銀行が融資するまでの買い戻し資金の「つなぎ融資」が必要なのです。

資金は1ヶ月間で利息と同時に償還する。
利息は月利2%。

出資は一千万円単位でいくらでも可能。
1ヶ月後に利息だけ受け取って継続することも可能。』


どうですか?
中々最もらしいような、ありそうなような話にも聞こえますね?


薬師寺さんには月利5%や8%を提示されていたようなので、どうやら私は紹介者のA女史やその上のブローカー一味にかなり抜かれようとしていたみたいですね。


この話、O川氏から直接のブローカーには月利8%で、そこから段階的にブローカーが関与して抜いた分の残りの利率が投資家には提示されていたようです。

このあたりの仕組みは、121ファンドやスピーシーアービトラージと言った詐欺ファンドとまったく同じですね。


さて、私はその時にどうしたか?
乗りませんでした!

理由は、みずほ銀行にお金を預けるのではなく、みずほ銀行行員にお金を預ける話だったからです。


私は常々、
「金融機関は詐欺をしない。
金融機関の調査能力は優れているので、そこの商品に詐欺性はない。
金融機関に自分の口座を開いて、そこに直接預ける話には間違いはない。」
と言っています。


いいですか?
金融機関に預ける話には間違いはないのであって、金融機関の人に預ける話はそもそもおかしいのです。

金融機関と、金融機関の人は全然違うのです。

五月みどりと、シャツ黄緑ぐらい違います。


この違いを薬師寺さんたちはわからなかったのでしょうね。


みずほ銀行行員O川氏による巨額詐欺事件。
被害総額は100億円を越えるとも言われ、どうやら刑事事件となるようです。
民事裁判において、みずほ銀行の使用者責任や管理責任が問われるかについても注目が集まっています。



多額の被害を被った被害者の陰で、儲かった人もいるようです。

それは、利息の差額を抜いていたブローカーだけではありません。


純粋な客(投資家)の中にも、初期に投資して
●得た利息の総額が、投資元本を上回った人
●早期に投資元本の償還を受けた人
がいることでしょう。


こういった「良かった。助かった」と思っている方々は、このみずほ銀行行員による詐欺に限らず、121ファンドやスピーシーアービトラージにもいたでしょう。


私はこの方々に言いたい。
あなたが得た投資元本を上回る利益は、あなたの投資したお金が産み出した利息という運用益ではありませんよ!
そのお金は、あなたよりも後に投資して泣いている人たちが出したお金なのですよ!
つまりは、それは不当利得ですよ」


このように、純粋な客(投資家)であっても知らないうちに、『実は加害者』になってしまうのが、投資詐欺の恐ろしさなのです。


こういう性質のお金は、名目が利息かマージンかに関わらず、どうせ申告納税していないでしょう。

この事件。
刑事事件として立件されれば、徹底的にお金の流れが追求され、不当利得は国税庁の追求に会うでしょう。

国税庁には、不当利得を被害者救済のために返還した場合には、課税しないなどの柔軟な姿勢を望みます。

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