2015年10月27日火曜日

そんな運用を本当にできるならば、金なんか集める必要はない

121ファンド、スピーシーアービトラージ、みずほ銀行行員詐欺、M国金ファンドなどなど、投資詐欺には一定の型があります。


まず、エージェントと呼ばれる代理店が暗躍し、客のまとまった金(数百万円から億単位まで)を胴元に預けさせる。

客には毎月2%程度の配当があると説明されている。
そして、エージェントはその客の上に乗っかっており、毎月数%のマージンを貰えるようだ。

エージェント組織は多段階になっており、胴元に繋がる根っこエージェントには月に8%程度の権利が与えられ、そこからマージンを抜いて傘下のエージェントに権利が渡されて、末端の客には2%程度の配当権利が卸されるという仕組みらしい。


胴元がエージェント組織に毎月8%のマージン(及び配当)を出すためには、少なくとも月に10%以上では運用しなければならない。(胴元も利益を得るため,あるいは経費が掛かるため)

毎月10%の運用益を出せる天才トレーダーや画期的運用法などは存在しないとよく説明するのだが、それでもわからないアホがまだいるようなので、今回は別の観点で一刀両断しておきたい。


もしあなたが、本当に月に10%の運用益を安定的に出せる天才トレーダーになったらどうしますか

そのうちの8割を他人にあげなければならないのに、金集めをしますか?

それとも、何とか種銭を作ってその自己資本をひたすら運用しますか?

 自己資本をひたすら月に10%で運用したら、5年後には何倍になっていると思いますか?


 自己資本を月に10%で運用すると、一月後には1.1倍になっています。

そして、その次の月は1.1倍になった種銭を運用できます。(自分の金やから、誰にも配当しなくていいですからね)

そうすると、二ヶ月後には1.21倍になっています。
これが複利運用というものです。

1.1倍の1.1倍は1.21倍。
その1.1倍は1.331倍。
そのまた1.1倍は1.4641倍というように資金は雪だるま式に殖えていきます。

1年後には3.318倍に。
2年後には9.849倍になっています。
3年後に30.91倍になり、4年後には97.01になります。
そしてなんと!5年後には304.48倍にもなるのです。


最初の種銭(自己資本)が100万円でも3億円に、一千万円ならば30億円に、1億円ならば300億円になるのですよ。


本当に月に10%で安定的に運用出来るならば、金集めをする必要など全くないことが、こうして計算するとよくわかるでしょう。


金集めをすること自体が、本当はそんな運用が出来ないことの何よりの証拠なのです。